更新日 2013.8.7
↑(写真)『科学画報』昭和3年8月号の広告
それは、「世界最小地上兼用ポケット天体望遠鏡」というものです。 広告によれば、既に新案特許意匠登録済みで、全長が5寸(15cm)、折り畳んだときは3寸(9cm)で、材料を直輸入して生産費を大幅削減できたので値下げを断行し、定価は5円ということです。 また、囲みの中には、「是れをのぶれば、月面の噴火口、渦巻く太陽黒点は歴然として視界に現出し是れををさむれば、机上、応接間の高尚なる装飾品として優美なる趣を添へ是れを競技に携ふればフィールドグラスとなり演劇に伴へばオペラグラスとして優秀なる能力を発揮すべし。」とあります。 ここで、「のぶれば」というのは、広辞苑によれば、「候文の手紙につかうことばで、申し上げますと、申し上げますが」という意味だそうです。今から85年も前に作られたものなので、残っているものはないだろうが、あれば、是非、見たいものだと思っていました。
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