更新日 2014.8.27
前回は、戦前のダイアナ号とコメット号のお話をしましたが、ここで、もう一度整理してみましょう。当時は、対物レンズの口径は鏡径で表すことが多く、焦点距離よりも倍率の書かれることが多かったようです。
(1)『天文夜話』には、「ダイアナ号」は、口径が42mmで、焦点距離、定価などの記載はありませんでした。
(2)『科学知識』昭和3年12月号には、「ダイアナ号」は、口径が42mmで、焦点距離の記載はありません。倍率は64×と32×、挿絵を見ると架台は経緯台で、三脚は木製の二段伸、定価は50円です。
↑『科学知識』昭和3年12月号掲載のダイアナ号
(3)昭和4年のカタログには、「コメット号」は、口径が41mmで焦点距離は750mm、接眼鏡はH12.5mm(60×)と地上用が(30×)、挿絵を見ると架台は経緯台で、三脚は木製二段伸、定価は55円です。
↑昭和4年のカタログに掲載されたコメット号
(4)『子供の科学』昭和5年9月号には、「ダイアナ号」は、口径と焦点距離の記載はなく、倍率が天体用50×、地上用10×とあるだけです。挿絵によれば架台は経緯台で、卓上型のスタンド式の三脚です。定価は55円(付属品全部付)と30円(付属品が天体用接眼鏡と格納箱のみ)です。
また、「コメット号」も、口径と焦点距離の記載はありません。ただ、倍率が天体用50×、地上用15×とあるだけです。挿絵を見ると架台は経緯台で、三脚は木製の二段伸です。定価は55円(付属品全部付)と40円(付属品が天体用接眼鏡と格納箱のみ)です。
↑『子供の科学』昭和5年9月号のダイアナ号とコメット号
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