連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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戦後の「コメット号」 4/12
~数奇な運命を辿ったダイアナ号とコメット号(その2)~

更新日 2014.9.17

「コメット号」のところには、「完全色消42粍対物鏡」とあり、説明文には、「本機は弊所の最低限度の高級品として苦心改良し来ったもので、其光学系は厳密な星像テストを経た最高級品であるから・・・・云々。」とあります。付属品は、天体用接眼19×、38×、75×、地上用接眼鏡25×1個、天頂用プリズム1個、サングラス1個、堅牢木製三脚1個、格納箱1個とあり、定価は7千2百円です。
対物レンズは、口径が42mmとありますので、高級品の焦点距離が750mmのものです。従って、天体用接眼鏡は、H10~20mm(75×、38×)の組合せ式のものと、19×というのは、地上用接眼鏡T30~AH40mmを組み換えて、アクロマートハイゲンの40mm(AH40mm)にしたときの倍率です。ところで、H10~20mmの組合せ式の接眼鏡というのは、下に掲げた写真のようなものです。

(写真)「H10~20mm」組合せ式接眼鏡

↑「H10~20mm」組合せ式接眼鏡

(写真)昭和23年7月改訂のカタログ(表)

上の写真で、①がキャップ、②が接眼レンズ、③が中間レンズ、④が視野レンズです。その内①と②と③を組み合わせるとH10mmの接眼鏡となり、①と③と④を組み合わせるとH20mmになるという接眼鏡で、五藤光学の実用新案です。

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