連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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戦後の「コメット号」 7/12
~数奇な運命を辿ったダイアナ号とコメット号(その2)~

更新日 2014.10.8

(写真)戦後のコメット号の接眼部

↑戦後のコメット号の接眼部

接眼部の材質はアルミの鋳物で、外装は黒の半艶塗装です。ドロチューブは真鍮製のパイプで、外装は銀色のクロームメッキです。戦前のものは、ドロチューブに直接ラックを切ってありましたが、戦後のものはラックを切った真鍮の角材を、ドロチューブにねじ止めしています。また、ドロチューブには、アルミ製の接眼アダプターがねじ込まれています。
また、架台は、戦前のものとほとんど同じ形状です。

(写真)戦後のコメット号の経緯台

↑戦後のコメット号の経緯台

経緯台の機構も同じですが、戦前のものは架台と筒受の締め付け加減を調整できるように、一方が蝶ナットになっていました。しかし、戦後のものはメーカーでちゃんと調整してあり、ユーザーがいじれないようになっています。
三脚は、戦前のものは木製の二段伸でしたが、戦後のコメット号のものは木製の直脚になっています。伸縮式のものはちょっとひ弱で多少ぐらぐらしますが、直脚のものはとても丈夫でぐらつきもありません。

(写真)戦後のコメット号の三脚の取付け部

↑戦後のコメット号の三脚の取付け部

三脚の足を架台に取り付けるためのボルトを入れる穴は、ドリルで開けたままで、戦前のもののように金属の補強材はありません。従って、平ワッシャーを用いても、ご覧のようにかなりへこみます。

(写真)戦後のコメット号の三脚の足の先端

↑戦後のコメット号の三脚の足の先端

戦前のものは、石突の代わりに真鍮の棒が入れてありましたが、戦後のものは板を2枚合わせたようになっているので、棒を入れるわけには行きません。従って、先端はそのままです。

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