連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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前田久吉著『日々これ勝負』16/16
~東日天文館建設の大難関~

更新日 2015.6.3

おまけ(3)

また、野尻抱影著の『星座神話』の「はしがき」に、
「もし、「天球」の定義から天文学に入るのを、まつ直ぐ正面玄関に導かれるのに譬へれば、星座とその神話伝説からこれに入るのは、廻り路ながら花園の中を逍遥してそれぞれの花物語を聞いてから、さうするのに似ているでせう。」とあります。

(写真)野尻抱影著『星座神話』昭和8年 研究社刊

↑野尻抱影著『星座神話』昭和8年 研究社刊

その後、昭和23年の白鳥社刊、昭和24年の縄書房刊、昭和27年の縄書房刊の『星の神話・伝説』にも多少修正して収録され、そして、昭和43年の恒星社厚生閣刊の『星の神話・伝説集成』10版には、更に洗練されて、
「天文学の本を星の知識に入る正面玄関とすれば、星の神話伝説は、初め読者をみだれ咲く花園へ導き、そこから天文学へ進ませるプロムナードであると信ずる」となっています。

(写真)野尻抱影著『星の神話・伝説』左から昭和23年 白鳥社刊、昭和、24年 縄書房刊、昭和27年 縄書房刊、『星の神話・伝説集成』昭和43年 恒星社刊

↑野尻抱影著『星の神話・伝説』左から昭和23年 白鳥社刊、昭和、24年 縄書房刊、昭和27年 縄書房刊、『星の神話・伝説集成』昭和43年 恒星社刊

ところで、これは日本の天文書だけではありません。海外の天文書にも見られます。
HUBBLE著の『THE REALM OF THE NEBULAE』に、
「The history of astronomy is a history of receding horizuns. Knowledge has spread in successive waves, each wave representing the exploitation of some new clew to the interpretation of observational data.」
(天文学の歴史は後退する地平線の歴史である。知識は相継ぐ波となって広まり、波毎に観測資料の解釈に何か新しい緒口を探り出すものを告示して来たのである。)などです。

(写真)EDWIN HUBBLE『THE REALM OF THE NEBULAE』NEW HAVEN YALE UNIVERSITY PRESS LONDON・HUMPHREY MILFORD・OXFORD UNIVERSITY PRESS MDCCCCXXXVI(1936)

↑EDWIN HUBBLE『THE REALM OF THE NEBULAE』NEW HAVEN YALE UNIVERSITY PRESS LONDON・HUMPHREY MILFORD・OXFORD UNIVERSITY PRESS MDCCCCXXXVI(1936)

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