連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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幻のウラノス号1型 12/20
~五藤式天体望遠鏡のベストセラーウラノス号の初期型~

更新日 2015.12.16

三脚(1)

『科学知識』昭和3年4月号に掲載された広告には、「三脚」は、堅牢、安定、折畳、伸縮自在とあります。別の言い方をすれば、堅牢木製三脚二段伸縮ということでしょうか。

(写真)ウラノス号1型の三脚

↑ウラノス号1型の三脚

『ウラノス号の使用説明書(第十版)』の望遠鏡の据付法のところに、
「三脚は先端を線で結んで正三角形になる様にし且一辺の長さを90糎位に開いて用いる。又、「コンクリート」や固い床の上では脚が滑り望遠鏡を倒すことがあるから丈夫な紐で脚の中頃を縛り開き止めを行えばよい。夜間多人数で観測する時は脚の下端に白い布を敷くと目印となり足で引倒す事を防止出来る。独りで観測する時は腰掛に掛けて目標の高さを調節すると楽である。」
とあります。

(写真)ウラノス号1型の三脚の取付け部

↑ウラノス号1型の三脚の取付け部

木製三脚の足を架台に取付けるためのボルトを入れる穴の両側に、写真のような金属の補強材がねじ止めされています。これは、ボルトを固く締めた後に、三脚を開いたり閉じたりしても、木製の足が痛まないようにするためです。

(写真)ウラノス号1型の三脚の伸縮固定ねじ

↑ウラノス号1型の三脚の伸縮固定ねじ

ウラノス号1型の三脚は、最短の830mmから最長1.5mまで伸ばすことができますが、途中のどの位置でも確実に固定できるとうに、中央の足を外側の2枚の板で挟んで、摩擦を利用して止める仕組みになっています。もちろん、外側の板がネジで押されても傷まないように、鉄板が貼ってあります。(上の写真のうち、中央のものは止めネジが失われたようで、違うネジになっています。)

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