連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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幻のウラノス号1型 16/20
~五藤式天体望遠鏡のベストセラーウラノス号の初期型~

更新日 2016.1.15

ウラノス号1型の付属品(3)

つぎに、接眼鏡の型式ですが、9mmと18mmの接眼鏡は、バレルに視野絞りが入っていて、両端から視野レンズと眼レンズをねじ込むという方式です。従って、これは負の接眼鏡で、ハイゲン式かミッテンゼー型ハイゲン式です。

(写真)9mm(左)と18mm(右)の接眼鏡の視野レンズ

↑9mm(左)と18mm(右)の接眼鏡の視野レンズ

両方の接眼鏡の視野レンズをはずし、内側の面を光にかざして覗いたところ、9mmのものは映った像が小さく見えるので、これは中央が窪んだメニスカスレンズです。また、18mmのものは映った像がそのままの大きさに見えるので、これは明らかに平凸レンズです。従って、この2つはHM9mmとH18mmの接眼鏡です。

(写真)25mmの接眼鏡の構造

↑25mmの接眼鏡の構造

焦点距離が25mmの接眼鏡は、視野絞りが視野レンズの外側にあるので、これは正の接眼鏡でラムスデン式かケルナー式、またはオルソスコピック式の接眼鏡です。まず、オルソということはありませんが、視野レンズ、眼レンズとも枠にカシメで固定されているので、型式は分かりません。ただ、眼レンズの厚さが4.4mmもありますので、これはおそらく貼り合わせレンズです。従って、K25mmの接眼鏡と思われます。キャップの鍔の下の筒状の部分の長い武骨な接眼鏡で、その後のK25mm接眼鏡の原型ではないでしょうか。

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