更新日 2016.1.20
↑昭和6年(1931)のカタログ
昭和6年(1931)の「天体望遠鏡付属品及組立用部分品」というカタログの天体用接眼鏡のところを見ると、ラムスデン式はなく、
ハイゲン式(普通型) | 12.5mm、18mm、25mm |
---|---|
ハイゲン式(ミッテンゼー型) | 6mm、 9mm、12.5mm |
18mm、25mm | |
ケルナー式 | 6mm 12.5mm、25mm |
40mm | |
オルソスコピック式 | 4mm、6mm、15mm |
となっています。従って、今回付属していた接眼鏡、HM9mmとH18mm、K25mmは、残念ながらウラノス号1型の標準付属品ではありません。おそらく、紛失したか破損したために、別箇に購入したものでしょう。
つぎに、地上用接眼鏡です。
↑ウラノス号1型に付属していた地上用接眼鏡
『科学知識』の昭和3年4月号に掲載された広告によれば、地上用接眼鏡の倍率は20×ですから、焦点距離は40mmでなければなりません。しかし、測定の結果は18mmでした。どういうことでしょうか。そこで、もう一度思い出していただきたい。『科学知識』昭和3年4月号に掲載された望遠鏡の写真は、本文の仕様とは違うものでした。そこで、翌月の5月号を見ると、仕様に合った挿絵に代わっていて、定価も190円から210円に、20×だった地上用接眼鏡の倍率も44×に代わっているという話しをしました。こちらの方が正しいとすると、
800mm÷44倍=18mm
となり、ウラノス号1型に付属していた地上用接眼鏡は、T18mmということになります。
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