更新日 2016.2.3
≪格納箱≫
その他、ウラノス号1型の付属品には、地上用接眼鏡と太陽黒点映写機がありますが、地上用接眼鏡については先に説明しましたのでここでは省略します。
また、太陽黒点映写機というのは太陽黒点及び顕微鏡像映写機のことと思われますが、残念ながら失われてありませんでした。従って、ここでは格納箱についてのみ説明します。
↑ウラノス号1型の格納箱
ウラノス号1型の格納箱は、横837mm、縦246mm、高さ182mm、重さ3,740gで、厚さ4分(13.2mm)のむくの板で作られた立派なものです。
↑ウラノス号1型の格納箱の内部
経年変化で傷んだフェルトを、一度きれいに剥がし、新しく貼り直しました。
↑ウラノス号1型の格納状態
↑ウラノス号4型の格納状態
以前紹介したウラノス号4型の場合は、三脚の足が直脚で長いため格納箱に収容できませんでした。それに比べ、ウラノス号1型の三脚は二段伸縮のものですから、縮めて格納箱に収容することができます。
↑ウラノス号1型の名板
ウラノス号1型の格納箱に貼られた名板には、肉厚の凸レンズ3個を逆三角形に並べ、中央の隙間に★型を入れ、上方のレンズの中に「ゼウス」、左下のレンズの中に「五藤」、右下のレンズの中に「光学」の文字の入ったマークが入っています。これより前に製造販売された1インチ望遠鏡の格納箱には、土星のマークが入っていましたが、五藤光学の社名の入ったものは、このマークがはじめてのものです。
↑1インチ望遠鏡甲号の名板
このウラノス号1型の名板には、東京市外駒沢町とあります。これは、東京市外駒沢町上馬143番地のことで、ここに大正15年(1926)から昭和7年(1932)まで五藤光学研究所がありました。ついでですから、他のウラノス号の名板も紹介しておきます。
↑ウラノス号3型の名板
↑ウラノス号4型の名板
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