連載 星夜の逸品 -児玉光義-

ドームなび GOTO投映支援サイト

1インチ望遠鏡の「甲号」 12/22
~天文趣味民衆化の爲め大量生産廉價提供~

更新日 2016.5.16

1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒(1)

さて、それでは1インチ望遠鏡の「甲号」を見て行くことにしましょう。この「甲号」も、前回紹介した「ウラノス号1型」同様、盛岡天文同好会のOさんから調査研究用にといただいたものです。1インチ望遠鏡の「甲号」は、主に鏡筒と架台、三脚から成っています。

(写真)1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒各部の名称

↑1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒各部の名称

鏡筒は、「対物レンズ部」と「鏡筒部」、「接眼部」の3つの部分からできており、各部の寸法は下記の通りです。

(写真)1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒各部の寸法

↑1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒各部の寸法

≪鏡筒部≫
1インチ望遠鏡「乙号」の鏡筒は、五藤齊三氏の『天文夜話』にもある通り紙製ですが、「甲号」の「鏡筒部」は、厚さ1.5mmの鉄板を円筒形に丸めたもので、直径が64φ、長さが700mmで、重さ1,694gの非常に重いものです。

(写真)1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒のつなぎ目

↑1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒のつなぎ目

外装は、外側が白色の半艶塗装で、刷毛目が見えるので明らかに手塗りです。内側は黒の艶消し塗装で、筒内絞りはありません。鏡筒の両端の内側には、61.5φでW=1/32(1インチの中に32山)のネジが切ってあり、それぞれ「対物レンズ枠兼鏡筒枠」と「接眼部」がねじ込まれるようになっています。

< 11.にもどる 13.にすすむ >

このページのトップへ