更新日 2016.5.16
さて、それでは1インチ望遠鏡の「甲号」を見て行くことにしましょう。この「甲号」も、前回紹介した「ウラノス号1型」同様、盛岡天文同好会のOさんから調査研究用にといただいたものです。1インチ望遠鏡の「甲号」は、主に鏡筒と架台、三脚から成っています。
↑1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒各部の名称
鏡筒は、「対物レンズ部」と「鏡筒部」、「接眼部」の3つの部分からできており、各部の寸法は下記の通りです。
↑1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒各部の寸法
≪鏡筒部≫
1インチ望遠鏡「乙号」の鏡筒は、五藤齊三氏の『天文夜話』にもある通り紙製ですが、「甲号」の「鏡筒部」は、厚さ1.5mmの鉄板を円筒形に丸めたもので、直径が64φ、長さが700mmで、重さ1,694gの非常に重いものです。
↑1インチ望遠鏡「甲号」の鏡筒のつなぎ目
外装は、外側が白色の半艶塗装で、刷毛目が見えるので明らかに手塗りです。内側は黒の艶消し塗装で、筒内絞りはありません。鏡筒の両端の内側には、61.5φでW=1/32(1インチの中に32山)のネジが切ってあり、それぞれ「対物レンズ枠兼鏡筒枠」と「接眼部」がねじ込まれるようになっています。
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