連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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製図用コンパスセット 21/22
~見事なデザインの製図機器~

更新日 2017.1.30

超大型の英仏式コンパスセット(5)

(写真)コンパス頭部の蝶番(正面)

↑コンパス頭部の蝶番(正面)

蝶番のところを正面から見たのが上の写真ですが、特殊鋼の円板の表面は削りっぱなしでざらざらです。

(写真)左右の頭部を嵌め込む

↑左右の頭部を嵌め込む

それらを、木箱を作るときの刻み組み接ぎ(通称アラレ組み)のように左右の脚の頭部を互い違いになるよう嵌め込みます。

(写真)左右の頭部を嵌め込みネジを差し込む

↑左右の頭部を嵌め込みネジを差し込む

そして、後ろからネジを差し込んで写真右上のナットで押えます。また、コンパスの脚の開き具合の固さは、付属のカニ目を使ってナットを締めて調整します。特殊鋼の円板の表面を削りっぱなしのざらざらにしてあるのは、実はナットを締めたときに適切な摩擦が生じるようにするためだったのです。

(写真)組立られたコンパス

↑組立られたコンパス

小さなコンパス一つですが、実はこのように精密に作られているのです。

(写真)コンパスの蝶番の内側

↑コンパスの蝶番の内側

しかし、一つだけ気に入らないことがあります。それは、コンパスの蝶番の内側が非常に乱雑な仕上げになっていることです。英式コンパスの洋銀製の表面は、寸分の狂いなく削られ、ミラーのようにピカピカに磨いてあります。それに比べ、コンパス頭部の内側の仕上げは頂けません。このことは、海外の各メーカーのものも、国内の各メーカーのものもみな同じです。

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