連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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いろいろな方位磁石 5/5
~学習用のコンパスから江戸時代の航海用のコンパスまで~

更新日 2017.11.27

逆針・裏針の和磁石

(写真)江戸時代のマリーン・コンパス

↑江戸時代のマリーン・コンパス

これは、箱の大きさが、縦23cm、横23cm、高さ14cmで、コンパスの直径が15cm、重さが3kgもある大型の「12方位の和磁石(逆針or裏針)」で、おそらく北前船かそのような船に積まれていたものでしょう。江戸時代のマリーン・コンパスにふさわしい堂々たる逸品です。

磁針偏角

これまで、磁針の指す方向を単に北として話してきましたが、実は、磁針の北極と地球の北極とは位置が異なります。従って、磁針の指す北極の方向と地球の北極の方向とではズレが生じます。これを「磁針偏角」といいます。国立天文台編の『理科年表』には日本各地の地磁気要素が掲げられていますが、近似式を用いて計算することもできます。
偏角D(2000.0年値)分布を緯度、経度の2次式で、
求める場所の緯度をφ、経度をλとすると
D(西偏)= 7°37.142′+21.622′⊿φ-7.672′⊿λ
     +0.442′⊿φ2-0.320′⊿φ⊿λ-0.675′⊿λ2
ここで、⊿φ=φ-37°N、 ⊿λ=λ-138°E
で計算することができます。
〔計算例〕
東京の位置を φ=35°39′、λ=139°44′とすると、
D(西偏)= 6°54.2′
となります。

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