連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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歴戦の勇士“スカイグラフ” 4/5
~格納箱の蓋がめくれ上がるまで活躍した新型ポータブル星野撮影赤道儀~

更新日 2017.12.25

新型ポータブル星野撮影赤道儀“スカイグラフ”(1)

初期のポータブル星野撮影赤道儀は、四角い箱を単に組合せたような、お世辞にも恰好いいとは言えない姿でした。ところが、新型のポータブル星野撮影赤道儀は、とてもスマートでコンパクトな形をしています。これは、技術部のT氏の設計によるものです。
仕様を見てみると、

架台部: 変形ドイツ式、傾斜角30°
極軸ファインダー: 6倍、実視界7.5°、マークX用標板使用、明視野照明付
ウォームホイル: 歯数100枚、モジュール0.5真鍮製
ピリオディックモーション: ±10″以内
掲載重量: 約2kg(最大4kg)
入力電圧: 定格DC12V(9~12V、バッテリー、乾電池、ACアダプター使用可能)
消費電流: 100mA(12Vの時)
モーター: パルスモーター
水晶発振精度: ±5×10-6(-10℃~+20℃の時)
重量: 約2.8kg(カメラ雲台別)
附属品: ワニグチクリップ、カメラ雲台、キャリングケース

となっています。
各部の名称については、下記の通りです。

(写真)新型ポータブル星野撮影赤道儀「各部の名称」

↑新型ポータブル星野撮影赤道儀「各部の名称」

使用法は、

1. 本体をカメラ用三脚に取付けます。ただし、三脚は全部伸ばさず、なるべく短目にします。
2. つぎに電源を用意します。単一の乾電池8本でも2晩以上持ちます。小型の12Vバッテリーから取るのが一番良いでしょう。ワニグチクリップは赤を+、黒を-につなぎます。
3. カメラ雲台にカメラをねじ込みます。パン棒は死角をなくすためにカメラのレンズ側にします。その他、レンズフード、レリーズ(ストッパー付)が必要です。
4. つぎに極軸を合わせます。極軸ファインダーの視度を合せた後、片眼でファインダーを覗き、もう片方の眼で実際の星空を眺め、極軸を回転させて標板のカシオペアと北斗七星の方向と実際の星空の方向が同じになるように合せます。つぎに、標板の○印の中に北極星がくるように、本体を載せた三脚の雲台を動かして合わせます。極軸ファインダー内の標板が暗く見ずらい場合は、ILMのスイッチをONにして視野内を明るくします。
5. 極軸が合ったらILMスイッチをOFFにし、POWERスイッチをONにして、あとはカメラの構図を決めシャッターを切るだけです。


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