連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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天体望遠鏡の格納箱「part 1」 2/5
~格納箱を見ればおおよそいつ頃のどんな望遠鏡か見当がつきます~

更新日 2018.1.29

1吋望遠鏡(野外用)の格納箱(1)

以前、株式会社五藤光学研究所が最初に製造販売したのは、口径が25mmで焦点距離が800mmの所謂“1インチ望遠鏡”で、この1インチ望遠鏡は全部で5種類あるというお話しをしました。手許にあるのは甲号と野外用の2種類だけですが、甲号の方は、盛岡天文同好会のOさんから調査研究用にいただいたものです。
野外用は、以前ヤフオクで落札したもので、格納箱は縦17cm、横90cm、高さ14cmの以下のようなものです。

(写真)1インチ望遠鏡(野外用)の格納箱

↑1インチ望遠鏡(野外用)の格納箱

(写真)1インチ望遠鏡(野外用)の格納箱の寸法図

↑1インチ望遠鏡(野外用)の格納箱の寸法図

上の図からも分かるように、杉の一枚板ですが、縦の板こそ15mmとそこそこの厚さですが、横の板は厚さ9mmのぺらっぺらの板で、実に粗末な箱です。中に仕切りでもあれば、どのような物が、どのように納められていたのか、分かるのですがそれもありません。もっとも、1インチ望遠鏡の甲号が40円、乙号が30円のところ、その半額の15円で販売されたのですから、付属品もラムスデン式の接眼鏡1個とサングラスだけです。従って、望遠鏡の鏡筒や、架台、三脚の足などは、新聞紙か風呂敷などで包んで、無造作に箱に入れていたのでしょうか。

(写真)1インチ望遠鏡(野外用)の格納状態

↑1インチ望遠鏡(野外用)の格納状態

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