連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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天体望遠鏡の格納箱「part 1」 4/5
~格納箱を見ればおおよそいつ頃のどんな望遠鏡か見当がつきます~

更新日 2018.2.13

1インチ望遠鏡(甲号)の格納箱(1)

野外用の格納箱は、中に何の仕切りもない単なる箱でしたが、同じ1吋望遠鏡でも甲号の場合は、価格が40円ということもあってか、それらしく出来ています。

(写真)1インチ望遠鏡(甲号)の格納箱

↑1インチ望遠鏡(甲号)の格納箱

板の厚さも、9mmから13mmになっていますし、鏡筒の入るところや、架台の入るところ、三脚の足の入るところなど、仕切りや窪みなども作られています。五藤式天体望遠鏡の場合、鏡筒は、格納箱の銘板の貼られている方を手前にして、対物レンズ側が右になるように入れますが、甲号の場合は逆になっています。おそらく、最初の製品が作られたばかりの黎明期ですから、そのような決まりもまだできていなかったのでしょう。大きさは、縦21cm、横86cm、高さ17cmです。

(写真)1インチ望遠鏡(甲号)の格納箱の寸法図

↑1インチ望遠鏡(甲号)の格納箱の寸法図

三脚の足は、日本光学の下請けの土浦製作所で作ったという鉄製の棒ですが、ごろごろバタバタしないように、上下左右が寸法に合わせて規制されています。

(写真)1インチ望遠鏡(甲号)の格納状態

↑1インチ望遠鏡(甲号)の格納状態

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