更新日 2018.2.19
格納箱の角の組み方も、単に二枚の板の両端を接合しただけの簡単なものではなく、板幅を三等分して片方は両端を切り落し、もう一方は中央の部分を切り取って組合せるという「3枚組み接ぎ」になっています。また、釘や木ネジで止めるのではなく、枘(ほぞ)を使った止め方をしております。
↑箱の角の「3枚組み接ぎ」と「枘」を使った止め方
また、箱と蓋をつなぐ蝶番も、板の幅が13mmになったので、ひと回り大きな長さが36mmのものが使われています。ただし、オリジナルの蝶番はとても痛んでおりましたので、現在は新しいものと取り替えてあります。
↑蓋の開け閉め用に取付けられている「蝶番」
つぎに、箱用金具ですが、これは野外用と同じ「つの字」です。
↑1インチ望遠鏡(甲号)の箱用金具「つの字」
最後に、格納箱に貼られた銘板ですが、幅12mm、長さ49mmのとても小さなものです。
↑1インチ望遠鏡(甲号)の格納箱に付けられた銘板
書かれている内容を見ると、土星のマークについで、
Goto’s Telescope
東京市神田区錦町 科学画報代理部発売
東京市外駒沢町 五藤光学研究所製作
とあります。
このことから、この銘版は、販売元の科学画報代理部で作ったものか、製造元の五藤光学研究所が作ったものかは、はっきりしません。土星のマークは、五藤光学のマークがまだ出来ていなかったので、このクラスの望遠鏡で見たときに最も興味をそそる、環を持った土星の絵をアイキャッチャーにもってきたのではないでしょうか。
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