連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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天体望遠鏡の格納箱「part 3」 4/5
~格納箱を見ればおおよそいつ頃のどんな望遠鏡か見当がつきます~

更新日 2018.4.23

コメット号の格納箱に貼られた“銘板の怪”(4)

(写真)何を入れるか分からない収納場所

↑何を入れるか分からない収納場所

これで、付属品が全部収納できました。ところが、天頂プリズムを入れる隣りに、19mmほどの幅の“U字型の溝”のある仕切り板があり、天頂プリズム側の仕切り板には、そこに入れた物を押えるための板がついています。これは、明らかに何等かの部品の格納場所です。内側の幅は38mmで、U字型の仕切りの左側の内側の長さが198mm、右側の内側の長さが17mm、全体でU字型の仕切り板の厚さ17mmを含めて226mmあります。U字型の溝の幅が19mmですから、接眼鏡より細いものでなければ入りません。しかし、不思議なことに、そのような付属品は残っていません。そこで、どのような形のものであれば収納できるのか推理してみました。

(写真)天頂プリズムの隣の収納場所

↑天頂プリズムの隣の収納場所

上の図は、U字型の仕切り板のある方から、天頂プリズムの収納場所の方向を見た図です。先に掲げた、「コメット号(戦後)の格納箱」と「格納箱の各部の寸法」とともにご覧ください。
「U型溝の仕切り板」とある黄土色の板は、U字型の溝のある仕切り板です。また、「天頂プリズムの仕切り板」とある黄色の板は、U字型の溝のある仕切り板より17mm向う側にある、天頂プリズムの入る所の仕切り板です。その上に「押え板」とある赤色の板は、収納物を押えるための板です。
こうして見ると、U字型の溝のある仕切り板のところに入る収納物の断面の形状は、縦27mm、幅19mmの小判型か、それに近い形状であることが分かります。そして、そこから天頂プリズム側に最大17mm、逆の方向に最大198mmで、U字型の仕切り板の厚さ11mmを含めると、全長が最大で226mmの収納物ということになります。太陽投映機などいろいろ調べてみましたが、そのようなものは見当たりませんでした。謎です。

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