更新日 2018.7.23
昨年の暮、2017年12月4日に、瑞穂町の望遠鏡仲間のKさんが遊びにきました。その時に、6cm(2吋半)経緯台(普及型)の架台と三脚をいただきました。
↑広瀬秀雄・中野 繁共著『全天恒星図』
この天体望遠鏡は、昭和34年に誠文堂新光社から刊行された、広瀬秀雄・中野 繁共著の『全天恒星図』に、「口径6cm屈折経緯台(微動装置のついているもの)」として紹介されたものです。
これは、水平(全周)垂直微動付の英国式経緯台の6cm(2吋半)経緯台(学習型)の普及型として、昭和30年代に製造販売されました(下のカタログを参照)。
↑昭和40年発行の理振法基準天体望遠鏡のカタログ
この経緯台の最大の特徴は、高度微動と方位微動のどちらにも、スプリング式の部分微動が使われていることです。スプリングに付いた棒と微動ハンドルの間に、回転する軸から出した突起を挟んで、微動ハンドルを回すことによって突起を押し込み、微動するという仕組みのものです。
五藤式天体望遠鏡の経緯台式の架台で、高度も方位もどちらも部分微動のものは、この6cm(2吋半)経緯台(普及型)だけで、天体望遠鏡仲間の間では、五藤光学が何故このような架台を作ったのか不思議がられているものです。
↑シーロスタットの仕組み
ところで、シーロスタットは、現地で調達した木組みの台の上に設置されます。望遠鏡の鏡筒は、対物レンズの方を南にして、正確に南北に向くように水平に設置します。その前(南)に第1鏡を、さらにその前(南)に第2鏡を設置します(前図を参照)。
そして、日食の数日前から、実際の太陽を用いて器機の細かな調整を行います。
シーロスタットの第1鏡は、重錘式の運転時計で太陽の半分のスピードで回転し、太陽の光がいつも第2鏡に入るように設置します。太陽の光を受けた第2鏡は、水平に設置された望遠鏡の鏡筒に正しく入るように調整します。
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