更新日 2018.8.06
↑20cm(8吋)シーロスタットの上下・水平微動装置
そのとき使われるのが、上の写真の上下(上)微動と水平(下)微動のスプリング式の部分微動装置です。
↑6cm(2吋半)経緯台の高度と方位の部分微動装置
これが、6cm(2吋半)経緯台(普及型)の架台です。どうですか、20cm(8吋)シーロスタットの微動装置とそっくりではありませんか。そこで私は、6cm(2吋半)経緯台(学習型)の廉価版として普及型を開発するときに、使い勝手が良いと評判だったシーロスタットの部分微動のアイディアを、そのまま利用したのではないかと考えています。
↑6cm(2吋半)経緯台(普及型)の部品
ところで、瑞穂町の望遠鏡仲間のKさんから、この6cm(2吋半)経緯台(普及型)をいただいたとき、Kさんは違う鏡筒を載せて使っていましたので、筒受を平らに削ってありました。しかし、その他は、全てオリジナルの部品です。そこで、早速、部品を一点一点に分解して清掃しました。
もう、20年近く前になりますか、ホームセンターで購入した缶入りのシンナーがなくなったので、買いに行きました。当時は、多くのメーカーのラッカーやペンキなどが所狭しと並べてあり、その端にシンナーも大小いろいろな容器に入れて販売しておりました。
ところが、今回行ったときには、限られたメーカーのラッカーやペンキしかなく、淋しい限りです。シンナーは、勿論、法律の影響でしょうか、シンナーと表記したものはなく、“ラッカー用うすめ液”とか“ペイント用うすめ液”と書かれたものがわずかに置いてありました。
↑今回購入したうすめ液(シンナー)
これでは、以前、金属についた油や汚れを落とすときに使っていたシンナーがどれか分かりません。そこで、ペイント(ペンキ)用とラッカー用のうすめ液の小さな瓶のものを買ってテストし、ペイント用の方かよいことが分かったので、大きめの缶入りを買いました。
また、グリースについては、ギヤー用と軸受用のものを五藤光学から分けてもらい、6cm(2吋半)経緯台(普及型)の架台を無事組上げることが出来ました。
この五藤式天体望遠鏡の架台としては異色の、高さ25cm、重さ1.6kgの小さな6cm(2吋半)経緯台(普及型)の“高度・方位部分微動装置”のルーツは、嘗て日食観測で活躍したシーロスタットの上下・水平部分微動装置にあったのだと考えています。
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