更新日 2019.1.28
とりあえず、間違いないところから入れてみることにします。
五藤式天体望遠鏡の場合、格納箱を銘板の貼られている方を手前にして置いたとき、鏡筒は対物レンズ部の方を右にして収めるようになっているものが多いようです。それでは、下に掲げた今回の望遠鏡の格納箱を見てください。
↑今回の望遠鏡の格納箱
手前の仕切りのない部分に、対物レンズ部を右にして鏡筒を入れてみましょう。つぎに、仕切りの向う側の一番右端で、手前に半円形の窪みのあるところに、架台の方位回転軸の入る部分を窪みに合わせて入れます。その左の細長い仕切りの部分には、地上用の接眼鏡を入れます。さらにその左の小さな仕切りには、サングラスを入れるのでしょう。そして、一番左の仕切りのところには、接眼鏡を入れます。今回は、どの付属品がどこに入っているか分かるように、そのまま入れておりますが、実際は、あちこち転げ回って傷にならないように、梱包用のプチプチや包装用紙などで包んで入れます。
↑蓋の内側に三脚の足を2本入れた状態
ところで、格納箱の蓋の内側に、幅が1cmで長さが3cmほどの木片が4ヶ所に付いています。最初は、これが何のために付いているのか分かりませんでしたが、残っているのは三脚だけですから、これをどう使うか考えてみたわけです。そこで、三脚の足を縮めて、蓋に付いている木片の内側に、こちら側と向う側に1本ずつ入れました。そして、残った1本を、接眼鏡を入れた仕切りの上に載せてみました。すると、きちんと納めることができました。そうすると、鏡筒も手前の木片と三脚の足に挟まれてガタガタしないのです。
↑接眼鏡の上に三脚の足を1本入れたところ
蓋の内側に付いている木片のおかげで、蓋を閉めても、三脚の足が鏡筒の上に落ちることはありません。
元々は、このように収納されていたに違いありません。
このことから、今回の謎の鏡筒と格納箱が、五藤式普及型天体望遠鏡『ダイアナ号』のものである可能性が非常に高くなりました。
このように、この望遠鏡が普及型のダイアナ号である可能性が高くなると、今まで貧素に見えていた厚さわずか9mmの格納箱も、それなりに立派に見えてくるから不思議です。
以前、1インチ望遠鏡の「野外用」と「甲号」やコメット号の「戦前」と「戦後」、ウラノス号の「1型」と「4型」の格納箱について紹介しました。それらの格納箱の造りと、今回の格納箱の造りを比較して見てください。
↑今回の格納箱
使われている板は、厚さが9~10mm程度の薄いものですが、格納箱の角の組み方は、ちゃんとした「刻み組み接ぎ」通称「アラレ組み」になっています。
また、蓋が勝手に開かないように止める箱用金具の「つの字」も、大型の立派なものが使われています。
さらに、箱と蓋をつなぐ蝶番も、止めネジがちゃんと3本ずつ6本のものが使われています。
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