連載 星夜の逸品 -児玉光義-

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確証を100%にするために 1/3
~2017年10月にヤフオクに現われた謎の鏡筒とその格納箱~

更新日 2019.2.25

対物レンズの焦点距離を調べる(1)

今回の望遠鏡の鏡筒について、前々回、「五藤式普及型天体望遠鏡『ダイアナ号』の可能性がとても高くなった」と述べました。しかし、鏡筒バンドは他社の製品としても、確証が100%でないのは、K.N.さんから鏡筒をお借りしていた一週間の間に、台風21号が関東地方を通るなど天候が悪く、対物レンズの焦点距離の測定ができなかったことと、実際の星を覗いて対物レンズの良し悪しのテストが出来なかったからです。

(写真)今回の望遠鏡の対物レンズ枠

↑今回の望遠鏡の対物レンズ枠

それでは、鏡筒がウラノス号の普及型であるという確証を得る別の方法はないのでしょうか。そこで、対物レンズの焦点距離が同じであれば、ほぼ間違いないだろうと考えてみました。しかし、鏡筒は既にK.N.さんに返却してしまったので、対物レンズを太陽にかざして焦点距離を直接測ることも、射出瞳径を測って間接的に算出することもできません。偖どうするか? そうだ、もし焦点距離が同じであれば鏡筒の長さも同じではないか。早速、調べてみることにしました。今回の望遠鏡の鏡筒の寸法は、下の通りです。

(写真)今回の望遠鏡の鏡筒の寸法図

↑今回の望遠鏡の鏡筒の寸法図

つまり、対物レンズ枠の先端からドロチューブを除いた接眼部の端までの長さを比較すればよいわけです。今回の望遠鏡の鏡筒の長さは、前図から796mmです。それでは、ウラノス号4型の長さはどうでしょう。 ウラノス号4型の対物レンズ部は、鏡筒枠に光軸修正装置が入り、その中に対物レンズ枠が入り、外に露帽(フード)が付くといった複雑な構成になっています。

(写真)ウラノス号4型の対物レンズ部図

↑ウラノス号4型の対物レンズ部

そこで、それぞれの部品図を作り、組み合わせてみました。小さな図でも分かり易いように、太い線で描いたため、それぞれの部品図を多少調整しないとうまく組み合わせることができません。苦労しました。

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