更新日 2023.9.1
◇昭和14年(1939年)
1月11日 昨夜、K君の観測。すこむる(頗る)寒く、
始まり(10.5時)- 14.2°
終り (2.5時)- 20.2°
11日 朝の最低気温 - 20.2°
この冬の最低気温である。
1月17日-18日
17日の晩は晴れて寒い。変光星観測において、9時前には既に温度-15°くらい。
18日の朝1時ごろには -21.4°になっておる。
1月21日
Comet Peltier 20081 January 00000 21200 22800
64081 shapley stroemgren sekiguti.
Comet Cosik Peltier 19088 January 16168 21191
22753 20548 10013 09761Beljansky stroemgren,sekiguti.
Cosik Peltier彗星
1月10日16時16.8分
α= 21h 19.1m ⊿α= +5m 48s
δ= +27°53′ ⊿δ= -13′
光度 8等 尾あり。
1月21日の晩方、10cm赤道儀にて彗星を探す。直ちにつぎの位置に見出す。尾は10′くらい。
1月21日午後6時30分
α= 21h 25m δ= +27°
3月 三月廿八日 新岩手日報(朝刊)
神鳴神の落し物
砕いて飲めば疾病の薬という。
長円寺隕石後日譚。
その記事の中
気仙郡気仙町真言宗長円寺に隕石
落下せることある
時 嘉永三年五月五日の暁、天気晴朗、一点の雲なし、百雷一時にとゞろく大音響数秒断続家の障子が裂け棚のものが落ちる。
長円寺つゞきの田甫閣のクルミの樹は根際から折れその傍の水田に俵大の穴を生ず、中から白煙濛々と立ち上り熱気強く近寄り得ず。その日の午后になって熱気揺らぎたり、六尺位の下に丸きかたきものあり、数日の後掘り出す。餅を手こねた様にて俵形をなす。石ころであった。石は長円寺にはこばれたり。
其中此石を粉にしてのめば痩病にかしらずと云う人々割りて持ち去るものを生ず。為に大さ半となりたるを遂に保存し得たりと。
地質学者小藤文次博士は隕石なりとかん定す。今長円寺前に隕石降下の場所に「天隕石降落之跡地」の標あり。
註、昭和十五年五月十二日、早朝高田町仐旅館を出て此長円寺に到り隕石を見せてもらう。元の隕石は重量四十匁ありしものを地方人が欠き取り為 明治十七年残部二十七匁余のものを人足を雇い運磐して東京博物館に寄付す。今寺に二ヶの破片を保存す。見るに焼けた面は鉄鉱石の焼けた如きも比重は比較的軽い隕石の部に属するものの如し。
長円寺は山の縁に建てる寺にて其石段の右側の池の縁に目標を立てあり。名勝史跡記念物指定を申請せるも其指定にはならず、よろしく寺にて保存されたしとの県よりの通帳を見せてくれた。水沢地方に於ても落下の日大音響を聞きしと。
この隕石落下の話にて自分も記憶するが、時は明治27年か8年か小学校に通える頃であった。一日学校庭で休時間に皆外の庭で遊んで居った時 朝であった、大砲を打ちしかと思わる、大音を聞く、皆おどろきて空をながむるに、煙を引きてたなびくを見る。当時日清戦争中であったから、支那の大砲だと云って驚いたことであった。是即、隕石落下であったと思う。
4月7日 7時過ぎから9時15分まで、4インチ赤道儀にて彗星を探る。天頂プリズムをつけて、アイピースf=1.5インチ(38mm)のものを用う。西-北の天を探る。8等くらいより明るい彗星状のものがあれば見えるはずである。星雲には一つも出会わない。
4月16日 この朝、古い役所の玄関の雪が消えた。昨年よりも2日遅い。
4月19日 去年8月12日から仙台大学病院に入っていた貞伊(奥様)事、だいぶ良くなったのでこの日家に帰る。
4月20日 今まであった12インチ反射鏡を2つとも10インチに切ってもらい、そのうち1つをf = 75インチ(1900mm)にしようとして摺りはじめる。
10インチならば目方も軽いので仕事が大変楽である。手で摺るにはやはり10インチくらいまでのようである。
4月25日 Comet 1739d ephemeris April 25000 04038
24210 04523 23845 29000 10616 magunitude 4 sekiguti.
岡林氏発見の彗星
1739d 彗星の推定位置
25日 0h 0m α= 4h 3.8m δ= +42°10′
29日 0h 0m α= 4h 52.3m δ= +38°45′
4月29日 彗星を見る。上の電報より引き続き天候が悪かったので観測が出来なかったが、29日の晩ちょっと見えた。
リング・マイクロメーターを用いたけれども、月のために比較星がよいものがないのでダメ。
サークルの読み取りによる位置、
4月29日 7時45分
α= 5h 0m δ= + 37°52′
20分の観測で運動が分かる、赤経で1時間に7′動くとして、20分で2′の動きである。近くに星があれば20分で運動が見える。
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